好きな本の話

低学歴のくせに結構図書館行ってる

低学歴ゆえに低収入で本が買えないから


別にたいして数は読んでない

絵の教本とか脚本の本とか借りることも多いから

それ以外で読むのは小説だけ


そんな私がとびきり好きな3冊

うち2冊は同作者の小説、というか短編集

チェ・ウニョンの「ショウコの微笑」と「わたしに無害なひと」

めちゃくちゃ良い

学がないから良さを上手く言語化することは出来ないんだけど

とにかく良い

登場人物がみんな感情表現が苦手で

静かに捻くれてて読んでて安心感すらある

特に「ショウコの微笑」に収録されてる「ハンジとヨンジュ」って話がお気に入り

読んだ時、こんな寂しい話があるのかってくらい寂しくて寂しくてボロ泣きした

もう一言声をかけられてたら、もう一歩動けてたら、きっと二人はこんな結末を迎えることはなかっただろうなって思えるけどそれが出来る二人ならここまで心を通わせることもなかっただろうなっていう

そういう話(雑)


あとすごい共感した文章があって

これはどっちに収録されてたか忘れたけど

「私のことを愛する準備ができていた人にまで背向けさせた、自分自身の荒涼とした心だった」

この「私のことを愛する準備ができていた人」って表現がすごい良いなと思って

これを読んだ時まさしく自分がそういう人を遠ざけてしまった時だったから涙ツー…した


で、残り1冊は

福永武彦の「草の花」

これは本当に好きであることが恥ずかしい

なんで私みたいな底辺がこんな位の高い人間しか良さを理解出来ないような本を一丁前に好きでいるんだよって自分自身に対して思うから

実際全然理解は出来てない

でも初めて読んだ時終盤涙止まらなくなって

なんかすっごい冷たくて暗い海に足元浸かってるみたいな気分になる文章

本読んでてそういう気分になったのは初めてだったから

あと「オリオンの星座が、その時、水に溶けたように、僕の目蓋から滴り落ちた」って文章が一度見たら忘れられんくらい綺麗


なんか高尚なラインナップやけど本読んでておもしれーってなるのはエッセイとか自伝とか読んだ時なんよね

「少年の名はジルベール」と「一度きりの大泉の話」を続けて読んだらマジで面白いです